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ようやく足場が外れ、建て物の形が浮かび上がってきた。
毎回ながら、お花屋さんの角を曲がるときにとても緊張する。
一体どうなっているんだろう.....期待と不安が入り混じったような。
図面やCGでとりあえず完成予想図は想定してあったが、いざ実物が建ちあがると、これはとてつもないことをお願いしたんだなとおもう。
やはり、いくらCGのシュミレーションや、建築模型を並べてみてもこの実際のスケール感には 圧倒される。
ここまで仕切ってきたのは、我々より若い現場監督さんの"田畠"さんである。
いわば、この監督さんがあったからHOUSE99.99はいま完成しようとしていると言い切ることもできる。もちろん、個々の職人さんも恐らく今までに体験したことの無いほどの難しい取り合いに、四苦八苦されていたことと思われる。
悔やまれてならないのは、仕事が忙しくてそうたびたび現場に顔を出して職人さんとお話できなかったことである。
ウチの親父も、生粋の職人である。黙って良いものを作リ出す人たちには、なにか親近感がわくし、そんな人たちのお話を聞くのは大好きである。無論私もそういう人でありたいし、ウチの親父もそういう意味ではとても尊敬している。
一日朝から晩まで、工事を見学できる機会に恵まれた日があった。外装のフレキシブルボード工事や階段棟のガラス施工工事、それに大工さん入魂の3Fベンチ工事、どれを見ていても飽きない。それぞれの業種で、彼らは当たり前のように、難しい工事をやり遂げてしまう。おそらく、午後から夕刻まで立ちっぱなしだったろうか、知らない間に時間が過ぎていた。ああ、物ができていくってこんなに楽しいことなんだと本当に実感できた一日だった。
私たちにとっては一生に一度あるかないかの大イベントではあるが、今回の監督さんにしても、各業者さんにしてもこれも、いわば日常の業務である。しかし、なぜあれほどまでに情熱的にやっていけるんであろうか。
それは、多分皆さん物を作るのが三度の飯より好きだからなんだろう。
利益計算だけでは、成り立たない何か職人の意地のようなものを感じた。今回の工事は珍しく、若い男前が多い。こういう人たちが昔ながらの職人気質を持ちつづけていることで、これからの建築業界も大手ゼネコンは息も絶え絶えであるが、健全に成長できる力があるのではないかと思う。
この工事に携わっていただいた数多くの方々に、HOUSE99.99の工事を手がけたことを誇りに思ってもらえるような建物であってほしいと思う。その意味で、今回工事に関わっていただいた方々のお名前を玄関の中にプレートとして掲示させていただきたいと思う。(メーカーの営業の方、不動産関係の方、司法書士・銀行の方々から、田畠さん、庄司氏まで50音順で記載させていただいた。)
これは、あの安藤忠雄さんがよくやることではあるが、私自身も良いと思うことは積極的に真似していきたい。
そしてこの建て物をきっかけに、設計者である庄司氏がブレイクしてもらえれば幸いである。
ほぼ完成にさしかかった建て物の中で、監督の田畠さんと話していて、”いろいろ苦労したけど、今回の工事はとても楽しかった”といってもらえた。
施主としては、これに勝る言葉は無いと思うくらい、感動した。
私にとっては、今回のプロジェクトは不謹慎ながら、人生最大の大枚ははたいた娯楽であった。思いっきり、遊ばせてもらいました。
田畠さん、”私も楽しかった!"
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