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  棟上式が終わった段階で,この家の基本的な構造体はできあがったわけてある。(2×4のように壁が構造体になる場合とは異なるので)

要は,この構造体にいかに住居として成立する内外装工事を施していくかがこれからの鍵である。旧来の木造の場合,このあたりは大工さんの胸先三寸と言ったところだったであろうが、今回の現場は,大工さんだけではなく、ガラス工事、左官工事、金物、防水,電気、タイル、塗装などさまざまな業者さんが日々出たり入ったりする現場となる。このあたりのマネージングをしていただくのが、監督の田畠さんである。

私は、この業界にはそれほど明るくないので、現場監督というといつもふんぞり返って指示だけ出しているものとばかり思っていた。
しかし、たまに現場を見学させていただくと、さまざまな業者の段取り、予算管理、施工図面、抜け工事の後始末などなど・・・・気が遠くなるほどの仕事を抱えているようだ。おまけに、場合によっては、現場で墨つけはするは、 各種工作は手がけるわで、ほんとに大変だっただろうと思う。

逆に大工さんは、かなりイレギュラーな作業をお願いしたので、少々面食らっておられたが、庄司氏の厳しいチェックにも腐らず、最後まですばらしい仕事をしていただいたと思う。

また、ガラスやさんは、あの壊れやすいガラスをいとも簡単に、足場の上まで運んでいき、数mmのバランスを調整しながら、一番目立つ部分である階段棟を仕上げていただいた。

その他、夜遅くまでがんばっていただいた、電気工事屋さん。
外から見ると、ライトアップされた建て物がとても美しい。

屋根の上で見る機会が少ないが、10年保証の防水工事。

外壁に採用の、フレキシブルボードの固定用のLGSを通常より、余計にいれていただいた”トンボクラフト”さん。

NASAレベルの寸法精度と言わしめた、特注の表札まわり。

などなど、現場での職人さんの奮闘ぶりはかなりのものだったよう。

当然、いろんな問題が発生した。そのたびごとに、監督さんは庄司氏とコミュニケーションをとり、解決していただいた。

こうして、着々とはた目には工事が進んでいったようにみえた。
(実際はもっとすったもんだあったことと思う)

工期は予定より10日前後遅れたが、もう先が見えてきた。

最後のひとがんばり、みなさんよろしく!

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現場奮闘記
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 毎回工事に立ち会うたび、いろいろなことを勉強させられます。設計段階では見えなかった事や、知らなかった事、気がつかなかった事に、工事の段階に至って初めて直面し、出来上がった後にようやく分ることさえもあります。設計事務所に勤めはじめてからおよそ10年になりますが、独立した今でも建築士たる資格が、自分自身に本当にあるのか疑ってしまうことさえあるほどです。単なる勉強不足と言われればそれまでですが、毎回毎回変わる建築工事の条件に現場の監督さんや職人さんと相談しながら進めることで、自分の知らなかった解決法を見つけることも度々あります。
 今回の竹田邸では計画の初期段階から、越智工務店の山野さんに相談を持ちかけていました。実際の工事をお願いするかはまだまだ分らない段階でも、快く相談に乗っていただいていた事を感謝しております。結果として、越智さんにやっていただけたことで、工事最後までスムーズに進めたことも過言ではないでしょう。
 また、コスト面での減額のため、私の友人でもある内装業者を嫌な顔もせず受け入れていただいたり、通常見られない部分部分の納まりにも否定することなく取り入れていただいたり、無理な注文にも前向きな姿勢で対処していただけました。

 人なつっこそうな現場監督の田畠さんは、後になって私が以前勤めていた事務所の後輩の友人であった事が発覚しましたが、随分夜遅くなるまで仕事をされていました。「晩遅くまで仕事をされている方を見ると嬉しくなるんですよ」と基礎工事を始めたころ、にこやかに言っておられたのが印象に残っています。夜の11時頃まで、電話で現場監督とやり取りしていたのは初めての経験かも知れません。そして、現場が最後まで適度な緊張感と、それでいて和やかであったのは田畠さんの人柄があったからこそかもしれません。
 また、現場に携われた職人さんの多くは、やり慣れない仕事に戸惑いを覚えられたと思います。細かな指示にも、充分答えていただけたかと感謝致します。ケラケラと笑いながら、重いセメント板の仕上を最後までやっていただいた大工さんや、現場の様子に興味をもって動いていただいたおしゃべりな電気屋さんや、鼻歌を歌いながら寒空のなか長そでシャツ一枚で玄関扉を塗っていただいた塗装やさんや、まだまだ沢山の職人さんの手で、この建物が一歩ずつ完成へと向かいました。