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 今回の建て物は,半地下というちょっと変わった形態である。
入り口から入ると1Fは、ちょっと下っていく感じになる。
そのため、1Fの柱と建て物の基礎を一体化した、スーパーベタ基礎なのである。頑丈この上ないような感じだ。

 さらに、構造設計上のコンクリートのかたさ(スランプ値)は”15”を要求されている。これは、専門的にはよくわからないがとにかく結構硬めのようである。やわらかいと、RCの打ちこみは簡単になり、かつ見た目はきれいに仕上がるが、経年変化による強度は落ちる。水分量が少ない硬めのコンクリートは 、工事はしにくいが強い。(ちなみに、安藤忠雄の有名な”光の教会”のRCスランプ値は”17”だそう。といっても、あれは全体RCなので単純に比較できないが)
RC打ちこみには立ち会えなかったが、真夏の暑さもてつだって、恐らく現場ではかなり困難を極めたであろう。

通常のベタ基礎と同じようなやり方で,捨てコンが打たれ、鉄筋を組んでいく。この段階で、1Fの柱もいっしょに組んでしまうわけだ。ついでに玄関も。


あっというまに、掘り方であいた大きな穴に次々と形ができあがっていく。仕上げはRC打ちっぱなしになるので、型枠を組んでいく。
鉄筋・型枠
見積りでは,新品の普通型枠となっていたが,工務店さんのお取り計らいで,化粧型枠を使っていただいた。現場はあっという間に、型枠ジャングルと化した。 安藤忠雄風のきれいなRC打ちっぱなしが出きることとなる。

数日間の養生を経て、いよいよ型枠をはずす。
1Fの床面に角柱がそびえたつ面白い基礎が出来あがった。

なんか、西洋の遺跡のような感じ。

1Fの仕上がりはこれがそのまま生きてくるので,工務店さんのこだわりであろうか、RCの化粧補修が行われた。通常は、大抵こんなことはしないでほったらかしである。

私も今の今まで、こんな職種があるとは知りませんでした。

基礎柱ただ、職人さんがRCのように模様を描きこんでいくと聞いて、ドリフのコントの描きわりセットののようにならないかと一抹の不安を覚えたが、写真のようにすばらしい仕上がり。近目で見てもわからない。うーん、絵心があるのでしょうか,すんごい技術です。


これで,基礎はとりあえず完成!
でも、こんなに手間かけて費用は大丈夫??

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基礎完成
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 今回の竹田邸は1階RC造、2〜3階鉄骨造という構成になっています。それだけ聞けばさして変わったことをしているわけではないように思えますが、1階部分で立ち上がるのは柱だけ。壁は1階の腰より上を鉄骨下地によります。そもそもスタジオを半地下(実際には1/3地下ぐらいだが)にしているのは、四角い建物にしたいという竹田氏の要望と、この場所での法的な高さの制限によって全体のボリュームがほぼ決まってくるためで、箱の上から住居である2,3階の階高を取った残りが1階分にあたり、そうすると天井高さの取りにくい1階部分を沈めたくなるのが人情。ちょうど建物の大きさが具合良く、地中梁が土地の外周に沿って決められます。と言うことはベタ基礎で考えれば、いい具合の底面が現れるわけです。同じ掘るなら、ここがスタジオの床と解釈できないかと考えました。あとは高さのバランスで決めていきます。
 最初の打合せ時に竹田氏が提示したプレゼンの中にほとんど採光のないハリウッドのCGスタジオの話が頭を遮りました。ちょうどいい穴蔵が出来るのではないかと思ったわけです。
 意匠的な面と3階に浴室を作る事もあって、出来るだけ揺れの少ないようにしておきたかったことも一つ。頑丈なRCの柱の上に乗っかるのだから、鉄骨部分は2階建ての様なものと解釈できないかと考えた訳でもありました。
 そうして何だか妙な遺跡が出来上がりました。
 言葉で言うのは容易いが、実際作る側は、精度も要求されるので大変です。多少のハプニングはあったものの、監督の田畠さんとシュワルツネッガーかと見間違いそうな基礎工事屋さんの真夏の奮闘のおかげです。