施主へメール

 今回の設備の関係で一番頭を悩ましたのが,空調&熱源である。

実は,前に建っていた古家は都市ガスをひかずにプロパンを使っていた。よくよく調べると,どうもガスの引込みが出来てないようである。
場合によっては,この引込みに多額の費用がかかってしまう恐れがあった。そのこともあり,当初,かなり積極的にオール電化住宅を構想していた。クリーンなイメージとIHのレンジが使える(掃除をしやすいキッチン)など、メリットが多いように感じた。問題は,ウチの建て物の構造にある。1Fを事務所としていることから,2Fをリビング,3Fにお風呂と寝室をもってくる構想になっていたので,3Fまで温水を上げる水圧が必要であった。しかし、最新の高圧型温水器でも、限界は2Fまで、3Fでお湯を使いたい場合は、3Fにあのどでかい温水器を設置しないといけない。
何度も,ガスと電化の両方の方法を検討し,なかなか決定できなかった。工務店さんにイニシャルコスト面での、比較見積りをいただき,以外とガスを引込んでも費用がかからないことが判明。
さらに,ガス機器はかなりの値引きが期待できるが,電気温水器などは関電によると、大きな値引きは期待出来ない。
今回の熱源争奪戦は,ガス機器メーカの企業努力が勝った形となる。

 これに絡んで,空調にはさらに頭を悩まされることになる。
これだけ狭小住宅であるが、腐っても1戸建てである。計算上,かなりの空調能力が必要なようである。まだ我が家の場合,部屋の中に大きな吹き抜けや、大開口が少ないため,断熱は多少期待できるが,早い話し,その建て物,空調で一シーズンすんでみないとわからないと言うのが,正直なところだそう。(計算はあくまで机上の出来事に過ぎない)
一番バカらしいのは,高価な設備をつけたものの,住んでみるとそれほど使用しないという”過剰設備"状態である。

 しかし、”マンション暮らしの快適性になれていると,意外と1戸建ては,寒いよ”(注)
と最初に工務店さんや庄司氏に忠告されていたこともあり, 結論を出せるまでかなり、紆余曲折があった。

 基本的に夏場冷房は、必要期間も短いし,現実エアコンしか選択肢はない。手持ちのエアコンをとりあえず有効活用して,これは何とかなったが,問題は暖房である。わたしは、エアコンの気持ち悪い暖房はとても苦手である。物を燃やすストーブのような暖房もかなり苦手である。
 暖房としてベストなのは,オイルヒータなどの輻射熱を使ったものだと思う。(ランニングコストはおいといて)数年前から使っているオイルヒータは,私の冬の生活には欠かせない。床暖房も勧められたが,どうも足の裏が妙に温かいというのは,私にはあまりいい心地ではなかった。


 で、今回はPS工業のパネルヒータに白羽の矢がたった。
ヨーロッパや寒冷地なんかでは,かなり普及しているこの種の暖房は,閉じられた機器内に入れた水を温め、放熱フィンから放熱し,徐々に室内の空気を暖めていくというもの。したがって、そうすぐすぐ暖かくはならないし、つけっぱなし(サーモスタットは効くが)が基本である。
そのかわり、空気を汚さない、空調音がない、心地よい暖かさ(PS工業Yさんいわく、常春のかんじ)が、提供される。 一日中かんずめになりそうな,1F仕事場にはぜひほしい暖房である。

 しかしネックはコストである。当初は1F,2Fの冷暖房をこのシステムでという希望だったが、キッチン予算の2倍以上になってしまい,実現には程遠かった。ということで、まずは最小限のシステムである電気式のパネルヒータを1Fのみに施工する予定である。
おいおい、システムアップできればいいかと考えている。

ちなみに、2Fはガス空調になった。コンロもガスコンロにしてコスト削減し,計らずもオール電化ではなく,オールガス化(?)に近い方式になった。


空調の教訓:大開口と吹き抜けは、気持ちよさと引き換えに空調代がバカにならない。

注:このように、建物のマイナス点を正直にディスクロージャしてくれることも、よい工務店の見極め方ではないかと思う。

next
設備編<熱源・空調>
back
建築家のサイト
 暖冷房設備に関して、竹田氏は執念のごとくいろいろなものを探してこられました。我々の知らないメーカーまで次々メールによって知らせがあり、それぞれのカタログを取り寄せ参照しながら一番良いだろう方法を随分時間をかけて検討したように思います。壁掛けエアコン一つもこだわりを持たれ、なかなか前進しないままでいました。
 結果のところオーソドックスな方法に至りましたが、予算との絡みがあって竹田氏にすれば無念の残るところかも知れません。これによって、私の方は随分勉強させられましたが、技術は常に進歩するのですから、将来的にはまだまだ多様な方法を知る必要があることを痛感せざるを得ませんでした。
 快適性を求めるのは人の欲求として止めるわけには行かないでしょうし、扇風機やストーブ、炬燵は先の時代には遺物となるのかも知れませんが、人のコミュニケーションがそうしたものを介してあることが素敵にも思えます。全てがボタン一つで済まされる今の状況を否定するのではありませんが、一方で、今までの生活感も大切にできたらなと思うのでした。