アテがあった訳でもなく独立してから大方2年が過ぎていました。親しい友人からの依頼で少しばかり特殊な住宅の増築を手掛け、それがたまたま縁あって「カーサウェスト」と言う関西方面の建築雑誌に発表することができた所でした。外見は控えめで決して人目を引く作品ではありませんが、言ってみればデビュー作?。私自身としては十分に、気に入ったものでした。
しかし、自分の期待するほどに掲載による反響はなく、世の中厳しいものだと痛感するばかり。悔しいかな、某TV番組の住宅紹介をかかさず見る様になっていました。
正直この番組で紹介されている住宅に一人ケチをつけつつも、実物を体験することが難しい住宅を映像を通しながら垣間見れるのは、設計者である自分自身とっては良い勉強にもなります。一般の住宅雑誌にせよ、専門の建築雑誌にせよ、写真で見ることが出来るのは、一番見栄えのありそうな所を選んだ一枚二枚。しかも奇麗に飾ってあったり、整理されていたり生活感が分かりにくい。TV映像によって映し出されるのは、連続して感じ取られる空間のつながりであったり、住み手の生活そのものであったりします。写真とは違った、隠しきれなかったところにこそ魅力があり、意外に気を引くものがあったりもします。
決してTVドラマに出てくる建築家のような華々しい活躍にはほど遠くも、設計者としての自分はどんなことをすべきなのか、何が出来るのかなどと番組を観ながらつい思い巡らし、良き理解者ともなる施主の現れるのを心待ちにする日が続いていました。
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